不動産の共有持分を設定した場合の所有権について

不動産の所有権は、通常は名義人となる人が一人です。ただし、共有形態をとることもできます。その場合、登記簿には共有である旨が登記され、各共有者は、共有持分を有することになります。共有に至る経緯として挙げられることに、不動産の名義を夫婦名義にする場合があります。その場合、持分割合に応じて、それぞれが所有権者となり、管理行為をすることができます。ただし、処分行為をするには、全員の同意が必要なので、勝手に処分することはできません。

また、固定資産税を支払わなければならない時には、一括で請求が来るので注意しましょう。なぜなら、固定資産税は地方税ですが、地方税法には、連帯責任を負う旨規定されているからです。そして、通常は代表者の所に一括で請求が来ます。代表者を指定していない時は、世帯主宛てに通知が送られてきます。もちろん、各共有者は持分に従って税金を負担するものです。しかしそれは内部事項なので、そのことをもって、自分の負担しない分は支払わないとすることはできません。したがって、夫婦で不動産を共同所有する場合には、予めどのように負担するか決めておいて、事前に金銭のやり取りをしておくべきです。家計が一緒ならばそのような問題は生じませんが、別々にしているのであれば注意しておきましょう。